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大阪市住之江区平林南1-1-8 大阪木材会館2F

2023年10月23日

大阪木材コンビナート協会 平林訪問

水面埋立の先行事例視察

 

岸和田の大阪木材コンビナート協会(会長・村上顯氏)の「まちづくり部会(会長・内藤清二事務局長)」は10月23日(月)午後、水面埋立ての先進事例として大阪住之江区の平林地区貯木場を視察したあと大阪木材会館1階会議室で意見交換会を開いた。参加したのは、内藤清二・村上顯・間﨑泰光・辻宗樹・入野哲朗(監事)・髙橋英明・信田篤志・森庵充久・古谷正美・久々山大樹・安田寿美・服部雅章・松山泰造・西村春美(会計)と大阪公立大学から講師として吉田長裕准教授と土地造成に実績のある㈱ジャスの鈴木孝治氏が参加した。
平林駅前の大阪木材会館に集まった一行はマイクロバスに乗って平林会の島崎事務局長がバスガイドを務め、4号堀東(埋立完了)➡4号堀中(水面)➡4号堀西(埋立完了)➡5号堀➡6号堀(公有堀)➡1号堀➡2号堀➡3号堀の順で視察した。
視察後の意見交換会は内藤事務局長の進行で始まり、先ず平林会の島崎事務局長が水面埋立で最初にスタートした「4号堀東」の工事が始まって完了するまで物語をかいつまんで説明した。
岸和田の広大な遊休水面はすべて公有水面である。ここが平林と根本的に異なる。平林は6号堀を除いた1号~5号堀は民間所有の水面である。地主は千島土地・岩田土地・大阪木材土地の3社。昭和30年前後から始まった大正区の土地区画整理事業に伴って大正区の千島町・小林町の材木屋が移転してできた町が今の平林である。移転してきた業者は大正区では主に水面を利用していた製材業者や合板会社が多かった。だから行政は陸地に水面を掘って大正区の業者の移転を誘ったのである。従って平林の水面は人口の池。陸地の道路だったところが水路に代わった。だから水路(元道路)の所有者は依然として大阪市である。
水面の埋立ては平林再開発問題とともに平林にとっては古くて新しい問題だった。土地神話が当たり前だったバブル期には土を購入してまで水面を埋めようとする空気もあった。平林は借地の街である。自分たちの土地を求める気分は異常なほど強かった。バブル崩壊後のデフレ経済が土地神話を崩し、日常茶飯だった地主との賃料値上げ交渉も約30年近く沈静化していた。丁度そのころ、阪神高速大和川線延伸工事(三宝~三宅、すでに開通)から発生する残土処分の話が舞い込んできた。大阪湾の土の処分地が少なくなり、環境問題も相まって土地の再利用がクローズアップされてきた時代だった。土を買ってまで水面を埋め立てたい時代は過去の遺物、今回は土代「ゼロ」で処分費まで付いてくる、というのだ。地主も重い腰を上げ平林会にも協力を求めてきた。平林会も停滞気味の平林再開発の起爆剤になると信じ「一度やってみよう。埋め立てたあと平林がどう変化するか、その時皆で検証しよう」との意見が大勢を占め、水面埋め立てに協力することとなった。ただ協力するだけではなく地主にモノ申すために埋立を遂行する事業会社(平林土地区画整理㈱)に出資することになった。そのため平林会は任意団体から一般社団法人に法人化した。
現在は4号堀東に続いて4号堀西も完成、埋立地には物流関係の大手がテナントとして進出している。この4年はコロナ騒動、平林会も活動が停滞していた。一番広い4号堀中の埋立も近いと聞く。
一方の岸和田の水面埋め立ては北陸新幹線工事から発生する残土を視野に入れているという。岸和田の事業は公共事業である。民間の平林と違って進む速度は遅いと推測する。やはり会員と一緒に岸和田コンビナートの将来像を描きながら水面埋立てとの整合性をいかに調整するか、そうしたビジョン作りが必要だろう。